子どもをいい子に育てたい」「いろんな能力を持った子に育てたい」、
そう思わない親はいません。
たとえ0才だろうと大人だろうと発達に関するすべてに通 じる動物学上の大原則があります。 それが「使うものこそ発達する」ということです。
つまり、人間である以上使うもの(=手、足、口、脳etc)いいかえるなら働かせば働かすほど発達するのです。
おもちゃでも、砂遊びでも、ゲームでも、絵本でも、いっぱい遊べば自然と脳も働きます。これがそがわの幼児教育の基本原則なのです。
右の図は脳重量の発達曲線です。
もちろんこれは重量の発達ですので‘質’の発達とは違いますが、
幼児期(0〜5才)に脳のかなりの部分がつくられるのです。
大人の脳重量が約1350〜1400g 新生児が約360g つまり一生のうち約1000gが増加するわけですが、その増加部分の75%が幼児期につくられているのです。
言葉を使えなかったオオカミ少女の事例
20世紀はじめ、インドカルカッタ付近のミドナポールの森で発見された |
具体的に「知能が発達する」とは何が発達するのでしょう?
「 発達」というと身長や体重の増加のように細胞分裂によってその数が増えることをイメージをします。
ところがこれが大間違い!
脳の細胞である神経細胞は生まれたときから約140億、それは細胞分裂を起こさない細胞なのです。
なんと脳の1000gの発達は「ネットワークの発達」だったのです。
では、何が発達するのでしょうか?
下のイラストは神経細胞と神経細胞のネットワークが発達している様子です。
まず左のイラストは神経細胞の様子です。
神経細胞は 核のまわりから樹状突起や軸索が伸びています。 この樹状突起の数の増加が脳の発達なのです。
右のイラストは神経細胞のネットワークが発達している様子です。
「外界からの刺激」を受けることにより、アンテナが伸び、神経細胞同士のネットワークが広がっていきます。
つまり、生まれてからいろんなものを見て・聞いて・触って・におって・味わって五感からの刺激=情報の多さが脳の発達をもたらすのです。
そしてもうひとつの脳の発達が軸索の髄鞘化 (じくさくのずいしょうか)、
少し言葉が難しくなりましたが、ひらたく言えば電線にカバー(髄鞘)をつけて絶縁体の役目をさせ、もれを防ぎ、早く確実に情報を送る役目をするのです。
この発達をもたらすのが「反復」つまり「リピート」です。
1回の刺激では完成しない回路もそれを反復することによって回路として定着する、そう考えてください。
ですから逆に使われなくなったネットワークの消減化もこの幼児期進んでいるのです。
それぞれの年齢にあった形で「リピート」することが、子どもの身につき財産になっていくのです。